2011年10月24日月曜日

刑事訴訟法 第5編 証拠 第1章 証拠法総論 が発売されました!!

コア・カリキュラム7法シリーズ 刑事訴訟法 第5編 証拠 第1章 証拠法総論 を発売しました。
証拠法は捜査と並んで刑訴法論文試験で毎年問われているテーマです。
そのため、第4編を飛ばして、第5編の証拠を随時完成し次第発売することにしました。
証拠法総論は証拠法の基礎となる部分のため、かなり突っ込んだ内容にしました。
そのため、一般的な基本書よりも内容が濃いです。
しかし、細かい内容が多いというよりも、基本概念の正確な理解のための解説を多くしています。
これは適切な基本概念の理解により、誤った事実認定をするといったことを回避するためです。
総論ということで、証拠法全体に共通するルールであるため、そこでつまずくと自白や伝聞法則といった分野においても、適切な理解ができなくなるおそれもあります。
そういったことがないように配慮した結果、総論だけでかなりのページ数になってしまいました(全58ページ)。

それから、コア・カリキュラム7法シリーズ(コア7)の刑訴法、第3編 訴因がかなり気に入ったといったコメントを複数の方からいただけました。ありがとうございます。
そう言っていただけるだけでも、ありがたいですし、作ってよかったと思います

刑訴法の後は何をしようか考えてましたが、やはり民事系の要望が多いみたいです。
そこで、次は民事系に着手しようと考えています。
問題は、民法・商法・民訴法のどれからやるべきかです。


試験対策として考えると、民法がいいかなと考えております。
というのも、民法はただでさえ範囲が広いため、短期間にすべて勉強することが困難な科目のため、コア・カリキュラムで要求されるレベルを効率よくこなすことこそが民法攻略の鍵になると思うためです。
また、短答のことも考えると、やはり民法でつまずくのはマズいでしょう。
逆に、民法が得意になることが、民事系科目を得意になることにつながると思います。


それに、民訴法に関しては、論文対策がかなり難しい分野といえます。
それは知識のみで対応しきれない問題が多いからです。
もちろん、それは民訴法だけではありません。
た だ、とりわけ民訴法は理論的な問題について基本概念の考えを論理的に展開できるかどうかといった面がものすごく強い科目です。そのため、一見すると見たこ とのない、または考えたことのない問題が多いのです(もちろん、問題をひもとけば既存知識で十分戦える問題になっています)。
それと比較すると、民法や会社法の論文問題は結構素直な部分が多いです。
もちろん、今年の会社法における財源規制の問題のように、しっかりと条文や制度の理解が問われるものもあります。
しかし、これはコア・カリキュラムで要求されるレベルをしっかりマスターすることで十分対応できるはずです(以下のコア・カリキュラム参照)。

3-2-5 自己株式の取得
○自己株式の取得に伴い生ずる弊害とそれに対して会社法が採っている規制の概要について説明することができる。
○会社法が認める自己株式の取得許容事由(会社法155)について理解している。
○会社法156条から159条が定める自己株式の買付け手続き・財源規制の内容について理解している。
○株主との合意による相対取引に際しての手続き・財源規制の内容(会社法160)について理解している。
○特定株主からの取得に関して、市場価格がある株式についての例外(会社法161)、相続人からの取得に際しての例外(会社法162)、子会社からの取得の例外(会社法163)、定款の定めがある場合の取得の例外(会社法164)があるが、各例外が認められている理由について理解している。
○市場による取引・公開買付けによる取得の例外(会社法165)が認められている理由について理解している。
○自己株式の違法取得(手続規制、財源規制に反した取得)の効力について説明することができる。

以上から、民訴法よりも、民法や商法の方が、コア・カリキュラムにそって勉強する方が効率がいいと思われます。
また、新司法試験で民法の問題は択一・論文ともに、かなり基本的な部分が問われていると思います。
そういった意味で民法は最も伸び代が大きい科目だと思います。

つまり、やればのびる科目、それが民法だと思います。
もちろん、今年の民法は少し難しかった面もあります。
ただ、太刀打ちできないようなレベルでは決してありません。
基本判例と現在の通説的理解さえ押さえておけば十分戦えます。



そういうことで、次の科目は民法を予定しております。


後、これは全科目にいえることですが、難問が出たときのことについて少しお話させていただきます。


まず、論文試験は相対評価ということをきちんと認識しましょう。
ある程度のレベルまで達したあなたが、難しいと感じる問題はみんな難しいと思うということです。

それはすなわち、全員満足な解答を出すことができないということです。

そこで、注意すべき点は1つです。難問に振り回されて時間を浪費しないことです。時間を浪費しない。これは重要です。
当然、問題に向き合って全力で戦うわけです。

ただ、長期戦にしないこと。

理由は単純です。あなたを含めてみんなが難しいと思っている問題に時間を費やしても、点数になかなかつながらないからです。
つまり、こういった問題は短期決戦が望ましいということです(もちろん、配点との関係で「短期」決戦の内容も変わります!)。
難問ができなかったとしても、それほど致命傷にはなりません。

そして、これは裏返しになりますが、確実に解答できる部分に時間を費やす。これも重要です。
確実に解答できる問題は他の人も同じレベルで解答できる可能性があります。
そのため、ここで確実に解答できなければ(つまり、あなただけその問題ができない場合)、点数の差が開きます。したがって、これは致命傷(死因)になりかねません。
これが相対評価の意味です。
もちろん、配点との関係もありますが、概ね上記のようにいえると思います。

要するに、時間を有効に使うということです。それが資格試験における戦略です。


民法は概ねバランスがいい難易度ですので、それほど悩むことはないと思います。
その意味で、民法は、コア・カリキュラムにそって基本概念の理解し、答案で使う必然性のある単語を暗記する、これらをしっかりすることが、論文対策につながると思います。
このような趣旨にそって、民法もコア7ノートを作ろうと考えております。

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