2011年11月4日金曜日

コア・カリキュラム 刑事訴訟法 第5編 証拠 第3章 伝聞証拠を発売いたしました!!

コア・カリキュラム 刑事訴訟法 第5編 証拠 第3章 伝聞証拠を発売いたしました!!

11月13日まで特価販売(700円)をしております。

伝聞証拠もかなり力を入れました。
とりわけ、伝聞・非伝聞の区別については、「要証事実」と「立証趣旨」の概念をわかりやすく、かつ、丁寧に説明しています。
これは「伝聞・非伝聞の区別が要証事実との関係で相対的に決せられる」という意味を適確に理解するための大前提になるからです。

ところが、現在普及している基本書には丁寧にこのことが解説されているものはほとんどありません。特に、学者が執筆した基本書は抽象論に終始するか、概念の説明すらないかといった類いのものが多いのです。
しかも、有斐閣アルマの刑訴法のように、「要証事実」を主要事実の意味で使いながら、伝聞・非伝聞の区別に関しては間接事実をも含む意味で説明しているものもあります。
これでは何が「要証事実」なのかわからず混乱してしまうのもやむをえないものといえます。

今日は、補強法則について話をしようと思いましたが、重要テーマである「要証事実」の意味について解説しておきます。

「要証事実」は多義的に使用されます。
上述のように、主要事実を意味するものとして使われることもあります。
主要事実とは、刑罰権を基礎づける実体法的事実を意味します。この事実を間接的に推認させる事実が間接事実です。
では、「要証事実」にはこの間接事実が含まれることはないのかというとそうではありません。

伝聞・非伝聞の区別は要証事実との関係で相対的に決せられます。
「相対的」とは、要証事実によって伝聞証拠になったり、非伝聞証拠になったりするということを意味します。
何故、「要証事実」によってこのように変わるのかという意味を適切に理解することが重要になりますが、ここで使われている「要証事実」は間接事実をも含む概念です。
それは、ここでの問題がその名の通り、「証明を要する事実」かどうかを意味する概念だからです(不要証事実に対する概念)。
このように「要証事実」は多義的な意味で使われます。

「証明を要する事実」は何か?これは証拠法総論の知識ですね。
一般に、「疑わしきは被告人の利益に」の原則から、犯罪事実の存在が裁判所の確信にまで達しない限り、被告人にとって利益に扱われます(刑事裁判における有罪の認定に当たっては、合理的な疑いを差し挟む余地のない程度の立証が必要)。
つまり、真偽不明の場合は、被告人に無罪が言い渡されるわけです。
このことを挙証責任(証明責任・立証責任)の形で考えると、 検察官が犯罪事実の存在について挙証責任を負うということを意味します。
したがって、犯罪事実(刑罰権を基礎づける実体法的事実)について、検察官は証明を要するということになります。 
そこでは、主要事実だけではなく、間接事実も証明を要する場合もあります。
最近、出た最高裁判例でも間接事実のみから主要事実を推認することで犯罪の成否を判断できることを前提にしたものもあります(最判平成22年4月27日判タ1326号137頁。もっとも、本判決は破棄差戻しの事案)。
そこでは、以下のように判示されています。

「刑事裁判における有罪の認定に当たっては、合理的な疑いを差し挟む余地のない程度の立証が必要であるところ、情況証拠によって事実認定をすべき場合であっても、直接証拠によって事実認定をする場合と比べて立証の程度に差があるわけではないが(最決平成19年10月16日刑集61巻7号677頁(以下「平成19年決定」)参照)、直接証拠がないのであるから、情況証拠によって認められる間接事実中に、被告人が犯人でないとしたならば合理的に説明することができない(あるいは、少なくとも説明が極めて困難である)事実関係が含まれていることを要する」。

間接証拠(間接事実を証明するのに用いる証拠)から主要事実を認定する場合、

間接証拠⇒間接事実⇒主要事実

という推認過程を経ます。したがって、そもそも間接事実に合理的な疑いがある場合に主要事実を合理的な疑いを差し挟む余地のない程度に確信することはできません。
また、これも当然のことですが、このような証明力の低い間接証拠がいくらあっても結論は変わりません。合理的な疑いのある事実がいくらあっても無意味だからです。

話を戻すと、ここで理解しなければいけないことは、間接事実によって主要事実を立証しようとする場合もあるということです。これは当たり前なことなのですが、その意味をきちんと関連づけることができていない方が多いのではないでしょうか?

繰り返しますが、伝聞・非伝聞かどうかは、「要証事実」との関係で相対的に決せられます。

典型例で説明すると、例えば、公衆の面前で「Yは詐欺師だ!」というYの名誉を毀損する発言をしたXを目撃した旨のAの証言の場合、そこで問題になった事件によって要証事実が変わります。
このAの目撃証言をXの名誉毀損の罪の証拠とする場合、Yが本当に詐欺師かどうかを立証するのではありませんね。ここではXがYに対する公衆の面前で名誉毀損行為を行ったということを証明しようとするわけです。
つまり、Xの発言それ自体が要証事実としてAの供述を証拠とする場合に当ります。
この場合、原供述者Xの発言内容の真実性(Yが詐欺をするような人間かどうか)は問題になりません。

ちなみに、この例におけるAの目撃証言は直接証拠になります。名誉毀損行為という主要事実を直接立証するための証拠だからです。

これに対して、Yの詐欺罪を立証するためにAの証言を証拠とする場合、Xが発言した「Yは詐欺師」ということが真実であることによって初めて証拠としての意味を見いだせます。
そこでなされたXの発言の中に具体的にYの詐欺行為に関する発言があれば、その真実性を前提にYの詐欺を立証することもできます。
しかし、真実性を前提にしなければならないということは、その発言をしたX本人に供述過程における誤り(知覚⇒記憶⇒表現、叙述)のチェックが必要であることを意味します。
したがって、そのチェックができないAの発言は、「公判廷外の供述を内容とする証拠で、供述内容の真実性を立証するためのもの」に当ります。したがって、この場合のAの供述は伝聞証拠ということになります。

このように、同じ発言でも問われる罪によって要証事実も変わってきて伝聞証拠に当るかどうかも変わってきます。

以上は直接事実が要証事実の例でしたが、間接事実が要証事実の場合もあります。
例えば、田宮先生の有名な例で考えると、AのBに対する「オレはアンドロメダの帝王だ」という発言を聞いていたCがAの発言を証言する場合、Aが本気で「オレはアンドロメダの帝王だ」と思い込んでいることから精神異常を推認する場合に当ります。
ちなみに、Aが何らかの犯罪の被告人である場合に、このようなCの証言はAの心神喪失・心神耗弱の立証に役立つことになります。
ここでの要証事実、つまり証明を要する事実はAがBに「俺はアンドロメダの帝王だ」と発言した事実それ自体です。
なお、Aがアンドロメダの帝王だということを立証する場合、その発言内容の真実性が問題になり伝聞証拠ということになりそうですが、そのような事実は犯罪事実とおよそ無関係ですのでこのような事実が要証事実となることはありません。

話を戻すと、AがBに発言した「オレはアンドロメダの帝王だ」という発言から精神異常を推認する場合の要証事実は間接事実です。
つまり、

AがBに発言した「オレはアンドロメダの帝王だ」という発言(間接事実)⇒Aの精神異常(主要事実)
 
という推認過程を経ます。
このように伝聞・非伝聞の区別において考える必要のある要証事実は主要事実の場合もあれば、間接事実の場合もあるのです。
もちろん、間接事実を要証事実と考える場合には、どのような意味があるのかを考える必要があります。およそ犯罪の立証と無関係の事実(Aがアンドロメダの帝王かどうか)ということを推認するための間接事実であれば、それは要証事実とならないからです。
したがって、例えば、言葉の存在自体を間接事実として用いる意味を考える必要があるということになります。
そこでは、犯罪事実の立証においてどのような意味があるのかといったことを考える必要があります。つまり、主要事実との関係でいかなる意味をもつのかということは考える必要があるということになります。この意味は上述の名誉毀損と詐欺の事案を比較すれば理解できます。
ただ、伝聞・非伝聞の区別は証明を要する事実、すなわち要証事実との関係で決せられるので、問題は証明しようとする事実が原供述者の内容の真実性を前提とするかどうかということを考えることになります。

要証事実との関係を吟味することの意味を適切に理解しなければ、伝聞・非伝聞の区別はできません。
要証事実が何か、そしてそれが要証事実となる意味を適切に把握するということが重要になります。
適切に要証事実を把握しなければ、およそその犯罪事実の立証とは無意味の事実を要証事実と考えてしまう過ちを冒してしまいかねません。

コア7ではそうならないように、要証事実の意義、立証趣旨の意義、両者の関係などについて、しっかり書きました。
なお、伝聞法則は証拠能力の問題です。
そして、伝聞証拠の原則排除は証拠の関連性の問題のうち、法律的関連性の問題です。
したがって、法律的関連性が認められても、自然的関連性が認められなければ、証拠能力は認められません。
例 えば、上述の例でいえば、AがBに「俺はアンドロメダの帝王だ」という発言を冗談で言っていた場合、Aの精神異常を合理的に推認することはできません。そ れは冗談で言ったものである以上、その証拠と主要事実との自然的関連性が欠けるためです。すなわち、冗談で言った発言である以上、およそAの精神異常を推 認する必要最小限度の証明力すら認められないということです。
コア7ではこの点についても触れています。
来年問われてもおかしくないテーマですので、苦手な人は是非、本書を参考にして下さい!

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 コア・カリキュラム 刑事訴訟法 第5編 証拠 第3章 伝聞証拠
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2011年10月28日金曜日

コア・カリキュラム7法シリーズ 刑訴法 第5編 証拠 第2章 自白を発売いたしました!!

コア・カリキュラム7法シリーズ 刑訴法 第5編 証拠 第2章 自白を発売いたしました!!


自白は訴因とならんでいつ司法試験で出題されてもおかしくないテーマです。
そこで、かなり力を入れました。

もちろん、自白についても判例実務の立場です。
自白法則は任意性説に立っています。
本書を読めば、虚偽排除説に対する批判は当たらないものだとわかるでしょう。

今日は、自白に関する論文試験対策について少し書きます。

現在の虚偽排除説は、虚偽の内容かどうかではなく、類型的に虚偽の自白を誘発するおそれの有無で不任意自白か否かを決すると考えられています。
つまり、類型的に虚偽自白を誘発するような自白をあらかじめ排除することで自白偏重の防止を図ると考えるわけです。
したがって、虚偽じゃない場合に虚偽排除説では自白を排除できない旨の批判は当たりません。

逆に、違法排除説は、違法収集証拠排除法則の“自白版”と考えながら、その違法の中身が全く不明欠くで、その判断基準も判例の採用する違法収集証拠排除法則と同じなのかどうかも明らかではありません。
違法収集証拠排除法則の“自白版”というのなら、理論的にその排除基準は違法の重大性と招来の違法捜査抑止の観点から決せられるべきともいえます。そうすると、それでは重大でない違法取調べにおける自白は排除されません。
しかし、軽微な違法取調べでもそれが類型的に虚偽自白を誘発するおそれがあるのなら不任意自白として証拠能力は否定されるべきでしょう。

仮に、違法の重大性を問題としないとする場合、違法収集証拠排除法則と違法排除説の関係が問題となります。違法排除説は、論理的に違法収集証拠排除法則における違法の重大性を問題としない理由が求められますが、説得的な理由は未だに提示されていないを言わざるを得ないでしょう。

しかも、明らかに条文の文言とかけ離れた解釈のため、もはや解釈論ではなく立法論に過ぎないとの批判もあります。

この点、現在の実務における任意性説は、 違法な取調べによって得られた自白は不任意自白の問題とすると同時に、違法収集証拠排除法則の適用をも肯定する二元説に立っています。
拷問、脅迫等の違法な取調べは往々にして虚偽自白を誘発するものですので、不任意自白と解される場合が多いです。この場合、自白法則によって証拠能力は否定されます。

ただし、だからといって、違法収集証拠排除法則の適用を否定する理由はありません。
その取調が重大な違法あり、招来の違法捜査抑止の観点からそこで得られた証拠(自白)の証拠能力を否定すべきという場面では、違法収集証拠排除法則によっても証拠能力は否定されます。

いずれも証拠能力を否定するという法的効果を有する点で共通であり、いずれも競合して適用を認めることになります。民法における不法行為責任と債務不履行責任の請求権競合に類似する関係といえます。
したがって、いずれも適用される場面ではいずれによっても証拠能力を否定することが認められます。
試験対策的には、違法な取調べで得られた自白が問題になる場合、答案構成としては次のパターンが考えられます。
  1. 取調の違法は重大な違法とまでいえないので、自白法則によって排除する
  2. 任意性は肯定されるので、違法収集証拠排除法則によって排除する
  3. いずれの適用によっても排除可能な場合
いずれも自白法則と違法収集証拠排除法則との関係がメインテーマといえます。
そのため、1および2は、初めに証拠排除できない場面を書いた上で、その後に排除可能な場合を書く方が論点落ちしないで無難だと思います(ただし、時間内に書ききれるように構成する必要がある)。
問題は3です。
通常、取調が重大な違法を伴う場合、往々にして任意性にも影響を与えます。
そのため、実質的に考えて2のパターンよりも3のパターンの方が出題される可能性は大きいかもしれません。
もっとも、善意の例外などが妥当しないか等を検討して、1のパターンに持っていけないかをまず検討すべきだと思います。
なぜなら、1のパターンが最も書きやすいからです。
2の場合、上述の通り、重大な違法を伴う取調べでありながら、自白の任意性が全く問題にならないようなケースはなかなか考えられません。
3の場合、いずれの適用も可能となると、他方のみで証拠排除可能になってしまい、もう一方を論じることがそれ自体蛇足になってしまいます。

このように考えると、まず1のパターンに持っていけないかを検討すべきでしょう。
もっとも、3のパターンも出題可能性が考えられますので、どうしても1で処理できないとなった場合、3で書かざるを得ない場合もあります。
その場合、まず初めに自白法則と違法収集証拠排除法則との関係について触れるべきでしょう。
もちろん、大展開する必要はありません。端的に、任意性説から違法収集証拠排除法則の適用を排除すべき理由はないとだけ示せば足ります。
もっとも、いずれを適用して証拠排除すべきかが次に問題となります。
この場合、重大な違法性と不任意自白のいずれが明白なのかによります。
要するに明白なものを論じるべきでしょう。
まず明文のある自白法則を適用すべきという見解もありますが、自白法則と違法収集証拠排除法則との関係が法条競合類似の関係にあるわけではないので説得的ではありません。
裁判例においても、明文ある自白法則で処理できる事例で違法収集証拠排除法則によって自白の証拠能力を否定したものも多く存在します(本書参照)。
自白法則を優先すべきという論者もこのような事例で、違法収集証拠排除法則を適用したからといって手続的瑕疵を有することになるとは考えていないはずです。
そうすると、そもそも適用順序を論じること自体無意味といえます。
いずれも同じ証拠能力を否定する理論に過ぎないのであり、いずれも適用できる場面ではいずれを適用してもよいと考えるべきでしょう。

そうすると、論文対策としては書きやすい方を書こうとなるはずです。民事上の請求権競合でも同様でしょう。認められやすい方を主張すべきです。
もちろん、1や2の場合、それでは自白法則と違法収集証拠排除法則との関係を論じることができなくなるので、これでは証拠排除できないとあいさつしておくべきでしょう。

もちろん、論文の書き方は事例によって変わってきます。ここではパターンとして書き方が色々あるということを知ってほしいという趣旨で3つの典型パターンを紹介しました。
とりわけ、本試験は書くべき量が膨大です。特に刑訴法においてそれが顕著です。
もっとも、違法取調べにおける自白について、特にコア・カリキュラムで指摘されている以上、そこで考えるべき特有の論点を頭の片隅に置いておくことが必要です。

そういった意味で、二元説の立場から典型処理パターンを本書で紹介しています。その一部は以下の通りです。

a        虚偽の排除で対応すべき類型
      利益の約束による自白
      偽計による取調べ
b        黙秘権侵害(人権侵害)を理由に排除の有無を検討すべき類型
      手錠をかけたままの取調べ
      糧食差入れの禁止
      侮辱的・威迫的ないし追及的・理詰めの取調べ
      病気中の取調べ
      取調官以外の者が同席した取調べ
      長期間・長時間ないし深夜・深更に及ぶ取調べ
      宿泊を伴う取調べ
c        違法収集証拠の排除によるべき類型
      違法な身柄拘束中に得られた自白
      別件逮捕・勾留中の取調べ
      黙秘権の侵害
      弁護人の援助を受ける権利の侵害
      起訴後の取調べ
      調書作成上の不正・不備
注)acが競合する場合も考えられる。判断の順序は、明文規定のある任意性の判断を優先させる合理的理由はなく、先後の関係はないと解すべきである。
繰り返しますが、これは典型パターンとして考えるべきでしょう。
本書では、これらが問題になった裁判例を実際に収録しています。

今だけ特価販売しています。今月だけですので、もう時間がありませんが、とりあえずサンプルだけでも御覧下さい!!
■サンプル
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コア・カリキュラム7法シリーズ 刑訴法 第5編 証拠 第2章 自白

次回は補強法則について書きたいと思います。



2011年10月27日木曜日

コア7シリーズに関するお知らせ

コア7シリーズ刑訴法に関して、2ちゃんねるに私の名をかたって情報を書き込む方がいます。
私ではないので注意して下さい。

なお、コア7シリーズは教員用のテキストをたたき台にして作成しております。
もちろん、作成者の許諾を得ているので安心してお使い下さい。

また、現在出版されているコア7シリーズ刑訴法は、私が作成したものですが、提供元の友人を通じて大学でも使用していただく予定になっております。
もっとも、学生に配布される分は諸事情によりレジュメだけにならざるを得ないらしく、教員用の補充に使われるらしいので、現在のところコア7シリーズ刑訴法自体が法科大学院で配布されることはありません(ボリューム的にも難しいと思います)。

個人的には、こういったものを教員だけのものにせず、公開すべきだと思っています。
そういう意味では、交渉の結果、少しは公開できるようになってよかったと思います。
司法試験で勉強すべき範囲は広汎ですが、問われる事項は限られているということを知らないまま放置する教員の責任は大きいものがあります(もちろん教員によります)。
私の友人にいわゆる三振した方がいて、そのことを切実に思うのです。
私の思いを理解して許諾して頂いた先生には感謝しています。

情報をできる限りオープンにして、勉強しやすい環境に資するように今後も心がけたいと思います。


今月で特価販売終了になります。
是非、この時期にご購入の検討をよろしくお願いいたします。

コア・カリキュラム7法シリーズ 刑事訴訟法
第1編 捜査
第2編 公訴の提起
第3編 訴因

その他

2011年10月24日月曜日

刑事訴訟法 第5編 証拠 第1章 証拠法総論 が発売されました!!

コア・カリキュラム7法シリーズ 刑事訴訟法 第5編 証拠 第1章 証拠法総論 を発売しました。
証拠法は捜査と並んで刑訴法論文試験で毎年問われているテーマです。
そのため、第4編を飛ばして、第5編の証拠を随時完成し次第発売することにしました。
証拠法総論は証拠法の基礎となる部分のため、かなり突っ込んだ内容にしました。
そのため、一般的な基本書よりも内容が濃いです。
しかし、細かい内容が多いというよりも、基本概念の正確な理解のための解説を多くしています。
これは適切な基本概念の理解により、誤った事実認定をするといったことを回避するためです。
総論ということで、証拠法全体に共通するルールであるため、そこでつまずくと自白や伝聞法則といった分野においても、適切な理解ができなくなるおそれもあります。
そういったことがないように配慮した結果、総論だけでかなりのページ数になってしまいました(全58ページ)。

それから、コア・カリキュラム7法シリーズ(コア7)の刑訴法、第3編 訴因がかなり気に入ったといったコメントを複数の方からいただけました。ありがとうございます。
そう言っていただけるだけでも、ありがたいですし、作ってよかったと思います

刑訴法の後は何をしようか考えてましたが、やはり民事系の要望が多いみたいです。
そこで、次は民事系に着手しようと考えています。
問題は、民法・商法・民訴法のどれからやるべきかです。


試験対策として考えると、民法がいいかなと考えております。
というのも、民法はただでさえ範囲が広いため、短期間にすべて勉強することが困難な科目のため、コア・カリキュラムで要求されるレベルを効率よくこなすことこそが民法攻略の鍵になると思うためです。
また、短答のことも考えると、やはり民法でつまずくのはマズいでしょう。
逆に、民法が得意になることが、民事系科目を得意になることにつながると思います。


それに、民訴法に関しては、論文対策がかなり難しい分野といえます。
それは知識のみで対応しきれない問題が多いからです。
もちろん、それは民訴法だけではありません。
た だ、とりわけ民訴法は理論的な問題について基本概念の考えを論理的に展開できるかどうかといった面がものすごく強い科目です。そのため、一見すると見たこ とのない、または考えたことのない問題が多いのです(もちろん、問題をひもとけば既存知識で十分戦える問題になっています)。
それと比較すると、民法や会社法の論文問題は結構素直な部分が多いです。
もちろん、今年の会社法における財源規制の問題のように、しっかりと条文や制度の理解が問われるものもあります。
しかし、これはコア・カリキュラムで要求されるレベルをしっかりマスターすることで十分対応できるはずです(以下のコア・カリキュラム参照)。

3-2-5 自己株式の取得
○自己株式の取得に伴い生ずる弊害とそれに対して会社法が採っている規制の概要について説明することができる。
○会社法が認める自己株式の取得許容事由(会社法155)について理解している。
○会社法156条から159条が定める自己株式の買付け手続き・財源規制の内容について理解している。
○株主との合意による相対取引に際しての手続き・財源規制の内容(会社法160)について理解している。
○特定株主からの取得に関して、市場価格がある株式についての例外(会社法161)、相続人からの取得に際しての例外(会社法162)、子会社からの取得の例外(会社法163)、定款の定めがある場合の取得の例外(会社法164)があるが、各例外が認められている理由について理解している。
○市場による取引・公開買付けによる取得の例外(会社法165)が認められている理由について理解している。
○自己株式の違法取得(手続規制、財源規制に反した取得)の効力について説明することができる。

以上から、民訴法よりも、民法や商法の方が、コア・カリキュラムにそって勉強する方が効率がいいと思われます。
また、新司法試験で民法の問題は択一・論文ともに、かなり基本的な部分が問われていると思います。
そういった意味で民法は最も伸び代が大きい科目だと思います。

つまり、やればのびる科目、それが民法だと思います。
もちろん、今年の民法は少し難しかった面もあります。
ただ、太刀打ちできないようなレベルでは決してありません。
基本判例と現在の通説的理解さえ押さえておけば十分戦えます。



そういうことで、次の科目は民法を予定しております。


後、これは全科目にいえることですが、難問が出たときのことについて少しお話させていただきます。


まず、論文試験は相対評価ということをきちんと認識しましょう。
ある程度のレベルまで達したあなたが、難しいと感じる問題はみんな難しいと思うということです。

それはすなわち、全員満足な解答を出すことができないということです。

そこで、注意すべき点は1つです。難問に振り回されて時間を浪費しないことです。時間を浪費しない。これは重要です。
当然、問題に向き合って全力で戦うわけです。

ただ、長期戦にしないこと。

理由は単純です。あなたを含めてみんなが難しいと思っている問題に時間を費やしても、点数になかなかつながらないからです。
つまり、こういった問題は短期決戦が望ましいということです(もちろん、配点との関係で「短期」決戦の内容も変わります!)。
難問ができなかったとしても、それほど致命傷にはなりません。

そして、これは裏返しになりますが、確実に解答できる部分に時間を費やす。これも重要です。
確実に解答できる問題は他の人も同じレベルで解答できる可能性があります。
そのため、ここで確実に解答できなければ(つまり、あなただけその問題ができない場合)、点数の差が開きます。したがって、これは致命傷(死因)になりかねません。
これが相対評価の意味です。
もちろん、配点との関係もありますが、概ね上記のようにいえると思います。

要するに、時間を有効に使うということです。それが資格試験における戦略です。


民法は概ねバランスがいい難易度ですので、それほど悩むことはないと思います。
その意味で、民法は、コア・カリキュラムにそって基本概念の理解し、答案で使う必然性のある単語を暗記する、これらをしっかりすることが、論文対策につながると思います。
このような趣旨にそって、民法もコア7ノートを作ろうと考えております。

2011年10月18日火曜日

コア・カリキュラム 刑事訴訟法 第3編 訴因を発売いたしました!!

やっと、コア・カリキュラム 刑事訴訟法 第3編 訴因を発売いたしました!!

10月末まで特価の500円(11月から650円)です。
http://p.booklog.jp/book/36787

いつ試験に出てもおかしくない分野ですので、かなり力を入れました。
試験委員の酒巻教授の考えを中心に、「実務」と「理論」を架橋しています。

今日は、コア・カリキュラム 刑事訴訟法が本試験、特に論文でどのように役立つのかということについて、書きたいと思います。

コア・カリキュラム7法シリーズは、本文のうち重要な情報はキーワードを太文字にしたり、下線を引いたりしています。
本書を理解して、その重要な部分(太文字・下線部分)を覚えれば、必ず論文で有効な武器になります。
もちろん、その力を有効に発揮するためには、演習書等で論文を書く練習は必要です。
ただ、基礎力を本書で底上げすれば、誰にも負けない力がつくはずです。

特に、訴因という分野は理論的な面で複雑で、かつ、難解な分野といえます。
中途半端な理解では、論文で歯が立たない分野といえるでしょう。
これは毎年出ている伝聞と同様の分野だということを意味します。

しかし、伝聞と同様に、基本的な考えを理解し、具体的事例でパターンを把握することで、本試験においても対応することができます。
そこで、本書全般にいえることですが、【ケース】という項目で法規範とあてはめを重視しています。
個々の【ケース】は難しいものではありませんが、基本的な事例へのあてはめ作業を通じて、問題を処理する能力が向上します。

また、コア・カリキュラムで問われる可能性のある事項については、特にアウトプットを意識して、太文字や下線が引かれてます。
初学者は特に暗記を意識して下さい。基本事項(論証)で誰しもが書けるような規範定立作業すらできないようでは、合格レベルの論文は書けません。
とはいえ、難しいことではありません。初めは太文字部分のキーワードだけ覚えればいいわけです。
そして、下線が引かれている部分を確認して、表現方法の参考にする。
このことを意識して、理解に努めれば、ものごとを理論的に分析ができるようになります。いわゆる間違った「論点主義」にならないようになります。

注意すべきは、「論点」がわからなくていいということではないということです。
「論点」の正確な理解が必要ということです。

さらに重要なことは、本試験では時間がないということです。
そのために、アウトプットのスピードアップを図る必要があります。
論文試験はサービス業に似ています。
「質」のいい文章を「大量」に書くことが問われるわけです。
8ページ書いたからといって、「質」のいい内容でなければ評価されません。
逆に、「質」のいい文章を2ページ書いたからといって、論点を落としていては、これもまた評価が必然的に低くなります。
これが、「質」のいい文章を「大量」に書くことが問われているという意味です。

このうち、「質」のいい文章を書けるようにするツールが本書というわけです。
上述の通り、そのための武器がたくさん用意されています。
後は、練習して、その武器を使いこなせるようにするだけです。つまり、演習で実際に論文を書く練習をするということです。

最近、色んな人からメールを頂くのですが、「内容が高度で難しい」というメールも頂きます。
ただ、本書の土台になった教員用のレジュメにはその高度な内容が記載されています。
しかも、よく読めば、「なるほど」という内容ばかりです。それは基本事項について、ほりさげて書いてあるからです。
これは私の予想ですが、そういうところがやはり試験では問われるのじゃないかと考えています。
なぜなら、論文試験が真の意味で理解しているかを見極める内容になっているからです。
つまり、一見誰もが一応の内容は書けるものの、基本事項を正確に理解していないとボロが出てしまう。そういう内容だと思うわけです。

そのため、一見難しいですが、よく読んでみると「ああ、あの基本事項はこういう内容だったのか」ということがわかります。
一回理解してしまえば、応用が利きます。そして、その応用が試験で問われると思います。

もちろん、初めて本書を使う人の中には難しいと感じる方もいるでしょう。
わかりやすくするための工夫はしていますが、それでもちょっと難しいというときは、気にしないで太文字・下線部分を中心に読み進めればいいと思います。
その際には、その該当箇所のコア・カリキュラムの「●」印をチェックしておきましょう。再度、確認を要する部分という意味です。
最初はそうやって、ザーッと読み進めましょう。それだけでも、かなり力がつくと思います。
それから、もう1度「●」印にチェックした項目を中心に、じっくり読みましょう。きっと、理解できるはずです。

本書はこのように、基礎力の底上げための工夫が随所で散りばめられております。
できれば、他と差をつけるためにも早期に、そして特別価格の今月中にすべて購入することをお勧めしますが、とりあえずサンプルで上述の学習を実戦してみて下さい。
きっと、これまでの勉強方法が変わるはずです。

第1編 捜査 第1章~第2章
■PDFサンプル
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第2編 公訴の提起
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2011年10月16日日曜日

今後の発売等のご質問について

 受験王です。
「コア・カリキュラム7法 刑事訴訟法 第3編 訴因」 が そろそろ完成しそうです。

内容に関してお客様からご好評の声をいただいております。
そこで、いくつか問い合わせをいただいたので、質問にお答えいたします。

■Q1


刑事訴訟法に関して、今後の発売の予定はどうなっていますか?


受験王としては今月中に刑事訴訟法すべての分野をご提供したいと考えております。
ただ、修正等に時間がかかってしまっていて、これは希望的観測になっています。予めご了承下さい。
遅くとも、来月中には、刑事訴訟法全分野を完成させて発売したいと考えております。

■Q2


他の科目の発売の予定はどうなっていますか?



他の科目に関しても発売する予定です。
ただ、現在、刑事訴訟法が完成していないため、どの科目にいつ着手するか検討中です。
そのため、具体的にいつ頃他の科目が出版できるか未定になっています。
個人的には、来月中に他の科目に関しても随時出版したいと考えております。

「是非、この科目を次に出して!」
というお声がありましたら、是非コメントかメールでお知らせ下さい。
需要の大きい分野から着手しようと考えております。


 

■Q3


すべてPDFだけではなく、ePub形式も選択できるようしてほしいです。



基本的に、「コア・カリキュラム7法 刑事訴訟法」は、wordで作成したものをPDFに変換して出版しております。
受験王のスキルでは、うまくePub形式を作成するのが辛い状況になっております(汗)。

ですが、スマートフォン等が普及している現在においてePub形式の需要も高まってきていると思いますので、なんとかePub形式でも出版したいと考えております。

 「このツールを使えばePub形式を作成できるよ!」
といった情報がございましたら、是非お教え下さい。
いいものを提供したい受験王のスキルアップに是非ご協力ください。


蛇足ですが、コア・カリキュラム7法シリーズは、ロースクール生や卒業生といった司法試験受験生のためだけに作成しています。
教員の質がいいロースクールでは試験に直結する授業を受けているロースクール生もいると思いますが、逆の方もおられるでしょう。
その「穴」を埋めるツールとしても役立つものになればいいと考えております。

私としては、これが試験対策に役立つツールの1つとして、 少しでもお役に立てれば望外の喜びです。
今後も試験対策に役立つためだけのツールとして、 作成を頑張ります!!
応援の方、よろしくお願いいたします。

2011年10月14日金曜日

第2編 公訴の提起を発売しました!!

コア・カリキュラム7法 刑事訴訟法 第1編に引き続き、
第2編 公訴の提起を発売しました。

全49ページになっています。

サンプルがあります。
是非御覧下さい!!

■PDFサンプル
ダウンロード
■ePubサンプル
ダウンロード

なお、有料版はサンプルより見やすいレイアウトになっています。


引き続き、第3編 訴因も発売する予定です。
訴因は来年あたり出題されるんじゃないかと予想してます。
そこで、訴因に関しては試験委員の酒巻教授の考えを中心に判例をまとめています。
実務と理論の架橋がうまくできてると思います。

期待していて下さい!!

2011年10月12日水曜日

期間限定の特価販売および無料公開!!!!

ブクログで、『コア・カリキュラム7法 刑事訴訟法 第1編』を発売しました。


第1編は、PDFのみの発売となっています。
第1編は、186ページになっています(目次ページ含む)。
できるだけ紙媒体の印刷をしたくなかったため、フォントサイズは小さめです(8)。
そのため、第1編は186ページですが、本文の文字数は約27万文字になっています。
これは、三井誠=酒巻匡『入門刑事手続法』よりもボリュームがあります。
だいたい有斐閣アルマの『刑事訴訟法』と同じくらいのボリュームです。

ですが、いずれも試験対策において有用な情報ばかりです。
また、本書の使用方法においても触れていますが、内容が重複する部分もあります。
それは、コア・カリキュラムで求められている範囲を部分的に学習することを容易にするためです。
そして、重複する部分はかなり重要だともいえるため、あえて省略していません。
そこで、重複を飛ばしたいという人のために、目次で工夫しています。
しかも、ボリュームはありますが、不必要な情報はありません。いずれの情報も試験対策に有用なものばかりになっています。

このようなボリュームのため、試験対策として必要十分な内容になっています。
例えば、おとり捜査のところを読んでもらえると、なぜ本試験でおとり捜査があのような問われ方をしているかということに気付くでしょう。
また、本書で勉強していれば、今年出題された別件逮捕についても、実体喪失説で答案が書けたでしょう。
現に、本書の作成の元になった教員用のコア・カリキュラムテキストにはいずれの事項も触れてありました。

第1編は、10月末まで特価の1000円(11月から1300円)になっています。
刑事訴訟法の論文第1問は捜査から出ているので、1000円でその対策が完璧にできるということになります。


コア・カリキュラムにそって勉強したい、効率的に試験対策のインプットをしたいという人は絶対に本書で勉強して欲しいと思います。
そこで、特別に10月末まで、第1編の第1章「任意捜査と強制捜査」と第2章「捜査の端緒」の範囲のみ、無料で公開することにしました。
11月1日から300円で販売することになります。
試しに使ってみて下さい。

リンク
コア・カリキュラム7法 刑事訴訟法 第1編(特価1000円)
コア・カリキュラム7法 刑事訴訟法 第1編 第1~2章(10月末まで無料)

2011年9月30日金曜日

「コア・カリキュラム7法」シリーズ 刑事訴訟法サンプルの紹介

はじめまして。受験王です。

ここでは、発行予定の新司法試験の受験対策ノート、「コア・カリキュラム7法」シリーズの紹介をさせて頂きます。
簡単に言うと、このノートはコア・カリキュラムにそって、必要十分な事項を加えた司法試験受験対策ノートです。
コア・カリキュラムについては以下を参照して下さい。
コア・カリキュラム

コア・カリキュラムにそって、勉強することには次の意味があります。

第1は、広汎な試験勉強を効率よくするという点です。
コア・カリキュラムは、ロースクールで学ぶべき事項が記載されています。
新司法試験は、そのロースクールで学んだことを試す試験ですので、コア・カリキュラムをつぶすことこそ受験対策になります。
しかも、コア・カリキュラムは、論文で出題されるような重要なテーマと択一だけで出るような知識を区別できるような表現で書かれています(この点については後日説明します)。
このことに気付けば、コア・カリキュラムにそって効率的に勉強を進めることができます。
しかし、市販のものはこのことを無視した内容になっているため、効率の良い受験対策の勉強ができません。
そこで、新司法試験の受験対策ノートとして、「コア・カリキュラム7法」を作成しました。

第2は、ロースクールの勉強にも役立つという点です。受験生の中には、そんなのは必要ないと思われる方もいるかもしれません。
しかし、上述の通り新司法試験はロースクールでの教育成果を試す試験です。
すなわち、司法試験は実務家登用試験であり、ロースクールは実務家養成機関なのであり、これらは連続しているのです。
したがって、本来ならばロースクールでの教育は新司法試験の受験対策となるべきものでなければなりません。
その意味で、ロースクールで学ぶべき内容が「コア・カリキュラム7法」シリーズには詰まっています。
そのため、授業にも役立つ内容ばかりです。まず、本書の内容を予習・復習することを最優先にすることで授業も効率的に利用できます。
もちろん、ロースクールによっては本書に記載のないこと(コア・カリキュラムにない内容)ばかりやっているところもあるかもしれません。
しかし、それは受験対策上は不要、少なくとも二の次の内容であるということを自覚しなければなりません。そして、その自覚があれば、勉強を無限に増やすような愚行はしなくなります。
その意味で、現役生にとってロースクール生活を充実させるツールとして最も有効なものとなるでしょう。


「コア・カリキュラム七法」シリーズはPDFファイルで出そうと考えています。
したがって、多様な使い方があります。
プリントアウトしてノートとして使ったりすることはもちろん、最近ですとスマートフォンなどでいつでもどこでも見ることができたりもします。隙間時間も積もればかなりの時間になりますから、携帯でいつでも見ることができるというのはかなりのメリットだと思います。
1科目につき重たい基本書3~4冊分の内容(分量ではありません)ですので、電子データで持ち運びできるというのも大きいです(レイアウト上、見やすさを重視しているため、紙幅を気にせず作成している分、ページ数は結構あります)。


まず第一弾は、刑事訴訟法を考えています。
理由は、刑事訴訟法は「これで大丈夫」と言えるような基本書が皆無であるためです。
しかも、刑事訴訟法は学者と実務家の立場が鮮明に異なる分野でもあるため、実務家登用試験としては学者の書いたものでは、ときとして誤った理解になるおそれがあります。
もっとも、法解釈の能力も必要不可欠なので、判例の結論のみを知っておけばよいというわけでもありません。
このように、刑事訴訟法は学者と実務家の狭間で様々な要求が求められる科目です。
このような要求は近時の論文試験でも顕著で、他科目と比較してそのボリュームも大きくなっています。
今後、このようなボリュームの問題は改められるものと考えられますが、上述の刑事訴訟法という科目の性質が変わるわけではありません。
そこで、司法試験が実務家登用試験であり、出題の趣旨等でも判例の理解が重視されていることも考えて、判例・実務を重視した内容になっています。
ただし、コア・カリキュラムで、「主要な考え方をふまえて説明することができる」とされている部分については、学説について必要十分な内容を加えています。

また、本書の特徴の1つですが、論文で使える単語や理解の助けになるフレーズは太文字にしており、また使える(使った方がよい)フレーズは下線が引いてあります。
これは、理解することでインプットするとともに、論文作成のために必要最小限暗記すべき部分を明確にしてアウトプットにも役立てるための工夫です。
これで、論証パターンといった類のものを用意せずとも、本書を繰り返し使用するだけで論証を伸縮自在に書くことができるようになります(もちろん問題を解く練習をすることは必須ですが)。
このようにアウトプットを意識した作りになっています。


完成し次第、本書の使い方等なども含めてお知らせしたいと考えております。


以下はサンプルです。
コア・カリキュラム7法 刑事訴訟法

要望等があれば、コメントでお知らせ下さい。
特段の理由のない限り、コメントは非公開にします。